「指値(さしね)」とは、株式やFXなどの金融商品を売買する際に、希望する価格を指定して注文する方法のことです。
具体的には、以下のようになります。
- 買い注文の場合: 「○○円以下で買いたい」と指定します。例えば、現在の株価が100円の銘柄を「95円で買いたい」と指値注文を出した場合、株価が95円以下になれば自動的に注文が成立します。95円より高くなる場合は、注文は成立しません。
- 売り注文の場合: 「○○円以上で売りたい」と指定します。例えば、現在の株価が100円の銘柄を「105円で売りたい」と指値注文を出した場合、株価が105円以上になれば自動的に注文が成立します。105円より安くなる場合は、注文は成立しません。
指値注文のメリット
- 希望する価格で売買できる: 予想通りの価格で取引できるため、計画的な投資が可能です。
- 想定外の価格で約定しない: 市場の急変動があった場合でも、不利な価格で約定してしまうリスクを抑えられます。
- 常に市場を監視する必要がない: あらかじめ注文を出しておけば、指定した価格に到達した時点で自動的に売買が成立するため、常にチャートを見ている必要がありません。
指値注文のデメリット
- 約定しない可能性がある: 指定した価格に到達しない場合、注文がいつまでも成立しないことがあります。その結果、利益を得るチャンスを逃したり、損失を拡大させてしまう可能性もあります。
- 価格設定が難しい: 適切な指値価格を見極めるには、ある程度の知識や経験が必要です。
「成行(なりゆき)注文」との違い
指値注文と対比されるのが「成行(なりゆき)注文」です。
- 成行注文: 価格を指定せず、「現在の市場価格で良いからすぐに買いたい(売りたい)」という注文方法です。
- メリット: ほぼ確実に約定するため、すぐに取引を成立させたい場合に有効です。
- デメリット: 価格が指定されないため、想定よりも高い価格で買ったり、安い価格で売ったりしてしまう可能性があります。
どんな時に使う?
- 指値注文: 「この価格なら買いたい(売りたい)」という明確な希望価格がある場合や、市場の急な値動きによるリスクを避けたい場合に適しています。また、仕事中などでリアルタイムに価格をチェックできない場合にも便利です。
- 成行注文: 「とにかく早く取引を成立させたい」という場合や、価格の変動が小さく、多少の価格差を気にしない場合に利用されます。
このように、指値注文は投資戦略に合わせて価格をコントロールできる便利な注文方法です。メリットとデメリットを理解し、ご自身の投資スタイルに合わせて使い分けることが重要です。