じわじわ家計を圧迫?「インフレ」を分かりやすく解説!
最近、「インフレ」という言葉をよく耳にしませんか?ニュースで取り上げられたり、スーパーでの買い物の際に「あれ、前より高くなった?」と感じたり…じわじわと私たちの生活に影響を与えているインフレについて、今回は分かりやすく解説していきたいと思います。
インフレってそもそも何?
インフレ(インフレーション)とは、簡単に言うと**「モノやサービスの値段が全体的に継続して上がっていく状態」のことです。そして、モノやサービスの値段が上がるということは、相対的に「お金の価値が下がっていく」**ことを意味します。
例えば、昨日まで100円で買えていたパンが、インフレが進むと120円、150円と値上がりしていきます。同じ100円を持っていても、買えるパンの量が減ってしまうわけですから、お金の価値が目減りしている、ということになりますね。
なぜインフレが起きるの?
インフレが起きる主な原因はいくつかあります。
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需要の増加(ディマンドプル・インフレ) 景気が良くなり、人々の所得が増えたり、企業が活発に投資を行ったりすると、「もっとモノが欲しい!」という需要が供給を上回ることがあります。すると、品薄状態になり、価格が押し上げられていきます。
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供給コストの増加(コストプッシュ・インフレ) 原材料費や原油価格の高騰、人件費の上昇など、モノを作るためのコストが増加すると、企業はそのコストを価格に転嫁せざるを得なくなり、商品の値段が上がります。最近のエネルギー価格の高騰などがこれに当たります。
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金融緩和 中央銀行がお金の量を増やす金融緩和政策を行うと、市場に出回るお金の量が増え、お金の価値が相対的に下がり、物価上昇につながることがあります。
インフレは私たちにどんな影響を与えるの?
インフレは、私たちの家計や経済に様々な影響を及ぼします。
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家計への影響:
- 生活費の増加: 食料品や日用品、光熱費など、毎日の生活に必要なモノの値段が上がるため、家計の負担が増します。
- 預貯金の価値の目減り: 銀行預金に預けているだけのお金は、インフレが進むと実質的な価値が下がってしまいます。例えば、年2%のインフレが続けば、100万円の預金は1年後に98万円の価値に目減りするのと同様の状態になります。
- 給与の上昇: 企業によっては、物価上昇に合わせて給与も引き上げる動きが出ることがありますが、必ずしも物価上昇に追いつくとは限りません。
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経済全体への影響:
- 企業の収益変化: 商品価格を上げられる企業は収益が増える可能性がありますが、原材料費の高騰が続く企業は利益を圧迫されることもあります。
- 金利の上昇: インフレが進むと、中央銀行は物価上昇を抑えるために金利を引き上げることがあります。これにより、住宅ローンなどの金利が上昇し、借り入れの負担が増える可能性があります。
インフレ時代にどう備える?
インフレは避けて通れない経済現象ですが、その影響を和らげるためにできることもあります。
- 投資の検討: 株式や不動産など、インフレに強いと言われる資産への投資を検討するのも一つの方法です。企業の利益が物価上昇とともに増えれば、株価も上昇する可能性があります。
- 家計の見直し: 無駄な支出を削減し、生活防衛資金を確保するなど、家計をスリム化することも重要です。
- スキルアップ: 自身の市場価値を高め、給与アップに繋がるスキルを身につけることも、インフレに負けない力をつける上で役立ちます。
インフレは私たちのお金や生活に直結する重要な経済指標です。その仕組みと影響を理解し、賢く対応していくことが、これからの時代を生き抜く上で不可欠と言えるでしょう。